2009/09/25

飛来した平和の使者から58年


たいがいのクラシック映画(ここで言うクラシックとは、1955年生まれの僕より古いという定義)は、映画にハマった60年代後半の高2ごろから、ほとんど見尽くしているはずなのに、と言っても当時17歳、そこから20年くらい前のフランス、イタリア映画全盛期のモノに、やっと総天然色と書かれたカラー時代が到来したハリウッドの大作映画などだったけれど、まだまだ見逃している不思議な秀作があるもんです。デビュー当時はスレンダーで寡黙な役が多かった、どこかハリウッドらしからぬ欧風のジェニファー・コネリーも、今やアラフォー世代。すっかり熟れた美貌にインテリ感が漂い、ますます好きな女優っーか、きっと今の彼女が理想型なのかもで「ブラッドダイヤモンド」以来、近作は見続けていたら、昨年末、キアノ・リーブスと共演したリメイク版「地球が静止する日」が公開になった。その時からオリジナル版の「地球の静止する日」The Day the Earth Stood Still(1951年公開)を見たいと探していたら、昨夜、偶然にもスカパーでオンエアされていて、見る予定だった「CSI 科学捜査班」をさしおいて、その不思議な秀作に魅入ってしまった。それがどう見ても低予算のチープなB級品。ところが旧ソ連に始る共産主義革命が猛威をふるい始めた50年代、全米が驚異を抱いたコミニストとワシントンに飛来した宇宙人とがかぶり恐怖をあおるヒッチコック風味なSFだ。しかも宇宙人の飛来目的が米ソの核戦争を回避するための平和の使者という設定で、単純すぎるけどネタは純度高いA級。世界が共産主義革命に怯えた当時を思えば、その高尚なテーマに唸ってしまった。それも時ちょうど昨日は、オバマ米大統領が議長を務める国連安保理で、核廃絶案が全会一致で採択された歴史的一日。飛来した宇宙人の警告から58年。世界が一致するって本当に時間がかかる。そんな感慨深〜い蔵出しのクラシック映画にしびれたのでありました。

地球の静止する日」The Day the Earth Stood Still(1951)

0 件のコメント:

 
QLOOKアクセス解析