2009/12/19

いつだって見上げれば星空

10年ぐらい前の晩秋。スタッフと露天風呂を掘ったので来ませんか?と後輩建築家のテイ(ITL)さんからお誘いを受けた。その週末、札幌から道南の伊達にあるくだんの温泉宿まで助手席の悦楽。千歳から高速を下りて国道何号線になるのか、近道を走った。もう夜も8時を過ぎれば前も後ろも車など走っていない。満天の夜空からこぼれ落ちる星のシャンデリア。車のハイビームとテールランプだけの世界。アイレベルには見渡す限り夜の帳と町灯りのほのかなグラデーション。ボクは彼女の4マティックの助手席でシートをめいっぱい下げて倒してサンルーフを全開。夜の草原を魔法の絨毯に寝そべって星降る夜空をかっ飛んだ。大気圏外の宇宙から見る星とは距離も視界も明るさも違うだろうが、まるで裸で星のまたたきのシャワーを浴びているようなファンタジア。寒風も風切り音もロードノイズもミュートした星の幸せに溺れた。彼女の笑い声がなければボクは星の世界から戻れなかった。


先日、原宿でも思いのほか流星群見ることができてちょっと感動。そんなわけで思い出した北の夜空。しかし考えてみれば地球が回っているだけで、いつだって見上げれば星空なんだ。月も星も満天にいるんだ。ならばサングラスのように気軽にかけられるスターグラス、つまり昼でも星が見える眼鏡をだれか発明しないものだろうか。世界に誇る日本のガラス技術と眼鏡作りの匠をして。夜空とはまるでちがう昼空の星を眺めてツイートなうとネ。

写真はアフリカ空撮の傑作「Eyes Over Africa」Photographer: Michael Poliza 昼の月

2009/12/17

雪の便りで思い出すスノー*エンジェル

1955年(昭和30年)生まれのボクは中学3年まで札幌ですごしたから、大方の素朴な雪遊びなら知り尽くしていると思っていたが、映画 grumpier old men(1993)で知ったスノー*エンジェルという雪遊びにはしばしうっとり。それはシンプルにしてちょっとホーリー。新雪積もった晴れた朝、ぜひお試しあれ!きっと満面の笑み。清みきった青空を見上げて素敵な気分、幸せ顔まちがいなしですよー


今は亡き名優ジャック・レモンウォルター・マッソーの映画「ラブリー・オールドメンgrumpier old men。映画はふたりの老いぼれ親友が暮らす田舎町に突如現れた女性(アン・マーグレット)をめぐり、狡猾なウォルターとシャイなジャックが少年のような攻防を繰り広げる渋味コメディー。いつまでたっても好意をストレートに表せないシャイなジャックにもどかしさもピークに達していた彼女と気まずさつのったジャック。ある朝、新雪の雪原にさしかかっての出来事。石橋をたたいても渡れないもじもジャックは、ついに覚悟を決めてか?いきなりなりふりかまわず彼女の手をとり仰向けにバタン!粉雪の舞いにふたりは真っ白。まるで草原に寝ころんで空を見上げて語らう恋人。雪原のベットで睦言を交わすカップル。ここでジャックは子供のころ遊んだスノー・エンジェルをしよう!と、ふたりはじゃれあい雪をかきわける。老いらくの恋の何とも無邪気でロマンティックなシーン。やがておもむろに雪まみれなふたりが起き上がると。。。朝日にきらきらと立ち昇るスノーダストの舞いの中から雪面に型押しされた手をつなぐふたりの天使のシルエットが。。。

《スノー・エンジェル》How to Make a Snow Angel
1.新雪の雪原に立ち両手を広げて無心に後ろへ倒れる。すると雪原には当然人型が刻まれる。2.そこで広げた両手で雪をかくように上下に動かす。足を外側内側と動かす。3.立ち上がって後ろを振り返ればそこには天使の姿がクッキリ片押し。

どうやらこれは北米の子供たちの伝統的な雪遊びのようだ。眩しい新雪に浮かびあがるスノー・エンジェル。洒落たデートの変化球にはうってつけ。若い恋人達にも老いらくのカップルにも素敵な一瞬が訪れる。しかもちょっとホーリーにネ・・・

ホーリーな Snow Angel 神聖です。写真は上級モデルのスノー*エンジェル!

2009/12/13

A Day In Paris と 2 Days in Paris



眩しいすぎる師走の小春日和だった土曜の昼下がり、タロ散歩で立ち寄ったオン・サンデーズで、こんなふれこみ(下英文)の『A Day In Paris』(CDブック/ハードカバー)を手に取りとっさによぎったのは「あぁ〜このTOKYO版が欲しい」。それも、日本人と外国人の男女が見開きで対になった鏡のような東京が。異性と異文化。まったく見立ての違うアングル&フォーカスの東京が聞きたい見たいと。そのぽっと浮かんだ元ネタが『2 Days in Paris』。たぶん誰しも異国で自国の文化や自分のアイデンティティーに遭遇したり、求められたり、考えさせられたり、彷徨ったりした事がきっとあるでしょう。ソフィア・コッポラの「Lost in Translation」、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの「Babel」、イザベル・コイシェの「Map of The Sounds of Tokyo」のように、毎日見慣れた東京の日常が、まるで犬のアイレベルで見ているような、たなびく草のフィーリングで感じているような、見た事のない景色に、感じた事のない気配に、こうも異国人の目や感覚からすると同じ風景が違って写ってるんだと怖いほどの新鮮に驚かされる。それって、録音された自分の声や鏡に映った自分の姿みたく、思い込んでいた自分とちょっと違って、でもそれが本当の自分なんだと自分の客観視を受け入れる。同じ物が違って見えるカルチャーショック。思い込みのラグ。そんな違和とおかしみ。

A Day In Paris takes you on a tour from morning to evening. Everything from Street Cafe's, boutiques, artists studio's, restaurants and even hip clubs are featured.
Includes 4 Music CD's from pop to rock to soul and chansons.


1984年アーティストの社交場となればと、パリのカンカンポア通りにアニエス・ベーが開いたギャラリー「ギャラリー・デュ・ジュール」で、97年ぐらいだったか日比野克彦のリモージュ焼きの個展があった。日比野氏は以前からフランスの伝統工芸リモージュ焼きの芸術大学から依頼を受けて年に一度、リモージュの工房にこもり作品を作っては発表していたころの話。そのオープニングの会場で、三々五々集った来場者に挨拶していたアニエス・ベーさん、日比野氏を介しながら人と人を紹介しては挨拶回りをしていた。で。次々と紹介してくれたのはいいのだが「彼は元ダンナの◯◯◯ネ」「今の人が愛人の△△△」「そう、向こうで笑っている彼が最初のダンナの□□□」と、次から次から登場するは、今の恋人、不倫相手、元ダンナ、さらに最初のダンナと、もう一体何人 彼女のEXさんたちが会場に来ているのか覚えきれない展開に仰天。さすがはジュテーム大人のラブーな都パリだった。ま。ボクも人さまが集まる場所では、たまにそんな光景になりかねない恋と結婚の華麗?な経歴がある身としたは、とても納得がいったのではあるのですが。

しかしこれが火種で交際2年の若い男女の愛がゆらぐラブコメディーが、パリジェンヌのウッディ・アレンと評されるジュリー・デルピーの脚本、主演、監督とひとり3役をこなした小品「パリ 恋人たちの2日間」2 Days in Paris (2008年公開)。物語は、NYに住むフランス生まれのフォトグラファー (ジュリー・デルピー)マリオンとアメリカ生まれのインテリアデザイナー(アダム・ゴールドバーグ)ジャックがベネチア旅行の帰りにパリの彼女の実家で2日間滞在するところから始まる。のっけからジャックはマリオンの父親からのテストを兼ねた質問攻めや家族の奔放な会話に戸惑い、マリオンの友達のパーティでは彼女に意味ありげな視線を送る男、パリのタクシードライバーはみな差別主義者でマリオンに色目をつかい彼女もまんざらでない色気を漂わせ、さらにはふと入ったカフェで彼女の元カレに何人も遭遇。はじめは何とかカルチャーショックさ Lost in Translation を楽しもうとつとめていたものの、嫉妬心に苛まれた彼のイライラは募るばかり、しだいに彼女に対して疑念がほたげ、ついに大喧嘩。とまあ。あるある思い当たる話なのだが、どなたかの物議をかもした名台詞「不倫は文化」じゃないけれど、曖昧模糊に暗黙する愛欲の都パリと何でもギスギス契約の街ニューヨークじゃ〜仏米双璧の異文化摩擦。日本秘伝の奥ゆかしい暗黙の粋とは違う、おフランスのある種、滑稽なまでに堂々とした愛欲の営み、ボク的には「いいね」なんですけど。


異性の彩ならわかりやすいブルース・ウィルス&ミッシェル・ファイファーの「ストーリー・オブ・ラブ」The Story of Us(1999)。異文化の彩ならケイト・ハドソン&ナオミ・ワッツの「ル・ディヴォース パリに恋して」Le Divorce(2003)。次元の違うシャレならもう「ワン・ナイト・スタンド」One Night Stand(1997)に尽きます。必見♪

P.S. タイガー・ウッズのシャレにならない狼狽ぶりと6度目の結婚を果たしたもはや老獪 角川春樹。学ぶ事が多いネ。

2009/12/11

昨日から今日そして明日。その未来。

1993年、当時つきあっていたわが人生で今のところ2番目にファニー&ユニークな現代美術のキュレーターだったGFに誘われて、ロバート・アルトマンの「ショート・カッツ」を観に行った。いつもながら誘ってくれた相手のセンスを信頼してる場合、ボクは何の予備知識も無く待ち合わせの映画館に時間ギリギリに出向くのだが、映画はレイモンド・カーヴァーの9の短編小説と一つの詩を元にロサンゼルス郊外に住む22人の平凡な日常を短編映画のようにコラージュしながら、実は同じ時間の経緯の中で登場する22人は自分の意志とは関係なく「どこかでつながっていた」遠縁「つながっていく」奇縁によって関わり合って人生が織りなされているという内用だった。まー。アルトマンらしく役者はちょい役でも超豪華な顔ぶればかり。そしてお尻が痛くなるほど長かった。一見、まったく縁のない見知らぬどうし赤の他人のような個々の生活が俯瞰で見ると、実はとんでもない事件につながっていたり、たどって行くと今この瞬間の幸せの源だったりと、個々の物語が複雑に絡み合う人生の彩が見とれる面白い神の目線。2007年の公開初日、ヒルズに精神科医の後輩女医さんと観に行った「バベル」は、その見知らぬどうしが実はつながっているという人生の彩をロスという小さな地域から地球というさらに高所からの俯瞰で見せたもので、その絡みあいは伝言ゲームのように情報が地球上をリレーされる度にどんどん変質していって、ますますややこしくなるという言葉と時間のラグがリアルで滑稽でもあった。


昨日は、ボクが表参道でタロの散歩中、信藤三雄さんは代々木公園で愛犬の散歩中とつぶやいていた。時同じころパリス・ヒルトンは今、北ハリウッドのクラブhaha cafeでクラビング中よ〜♪とツイート。そのころヒルズではジョニー・デップが「パブリック・エネミーズ」のジャパンプレミアでレッドカーペットの上。裏原宿ではデプトの後にできたヴァカント桑原茂一さんはClub King今年最期のイベントで茂木健一郎さんの朗読会。東京タワーを至近に眺めるプリンス・パークタワーでは昼の平山郁夫さんのお別れ会に続いて、「KKミーティング」と銘打たれた加藤和彦さんのお別れ会にユーミンはじめ高橋幸宏さんら錚々たる団塊の世代たちが集っていた。ボクは夜更けまで表参道のモントークで、ベネチア研究の第一人者 陣内秀信ゼミでトルコをくまなく1年間フィールドワークしていた大学工学部の後輩女子と悠久の地球史と未来を語った。ひと気のない深夜の神宮前交差点で彼女のタクシーを見送った帰途、小腹がすいてマンジャ・ペッシェ前の野方ホープ原宿で夜食。帰宅するとNYのVISIONAIREから2010年が届いていた。ツイッターを眺めると、二次会から帰宅した高橋幸宏さんの感慨深いつぶやきが。たくましくも天真爛漫な太田光代さんの仕事を終えてからの微笑ましい至福のつぶやきが。もくもくと考えさせられた夜明け前だった。


中学3年のころ、高校受験の勉強中、毎夜聞いていたラジオの深夜放送は、時、団塊の世代が全国の大学で社会主義暴力革命の狼煙を上げた学園闘争の渦中からの戦況報告のような学生たちのつぶやき声とその合間にフォークソングが流れていた。加藤和彦さんのザ・フォーク・クルセダースの曲もその時初めて聞いたのだが。嵐のような闘争の季節が過ぎ去り、まるで戦後のようなキャンパスを卒業して社会人になって出会った団塊の世代は、BIGI創業デザイナー菊池武夫さんが「僕の世代は親父の背広かVANのアイビールックしかなかった。だから僕は自分の着たい服を作ったんだ。」と語ったとおり、写真、広告、雑誌、テレビ番組、ファッション、インテリア、ショップ等々すべてが、それ以前の親父の世代にはなかった、彼らが欲しかったモノやコトを作り始めて、待ってましたとばかり大量の同世代がファンとなり顧客となった。何を初めても大量の同世代のお客がいてすべてがうまく行った時代。そのピークが80年代中期だったのだろうけれど。いずれにしても彼らの世代は退場するまで市場が最大級だから苦労せず生きて行ける世代なのだろう。大人になって30を過ぎてから出会った加藤和彦さんは、もう60年代のフォークシンガーというより、彼の貴族的ライフスタイルが羨望のお洒落な東京スノバリーだった。加藤さん同様に軽井沢と東京で優雅に遊ぶ、立花ハジメさんや菊池武夫さんさんも松任谷正隆さん、等々等々の今を見るに、あのころのスノバリーで東京カルチャーな人たちは、きっと本音のところ加藤さんが「もう何もやる事がなくなった」と最期につぶやいたように、未来を見通せない閉塞の中にいるのではないだろうか。カリスマサブカル誌 STUDIO VOICEの廃刊。リンゴ社のスティーブ・ジョブスも愛用していた最も世界で成功したはずのファッションクリエーターYOJI YAMAMOTOの倒産。これから、かつての団塊スターたちがひとりひとりと退場して行く。その度に、たくさんの未来を喪失した団塊スターたちは集うのだろう。

しかし一方では、一昨日の未明ヴァージンの会長リチャード・ブランソンが、ニューメキシコからツイッターで、This is truly a momentous day..The unveil of SS2 takes the Virgin Galactic vision to the next level. http://bit.ly/4Kjird http://bit.ly/gG19 とつぶやいた。朝、テレビのニュースでは、その眩しい未来が放送されていた。そして今夕、シュワルツネッガー加州州知事は、It was a great ceremony - here is the countdown! http://vid.ly/bI6D と幸せをつぶやいて。。。


さっ。今夜は、来日中のマイケル・ムーアも絶賛したタイタンのイベント「爆笑問題withタイタンシネマライブ」が全国のTOHOシネマズで開催。これから僕は六本木! おっと、パリス・ヒルトンは、Going to bed. Sweet Dreams Everyone! Xoxo Paris :) ってつぶやいたよ今。。。35年前、大学の社会学部で専攻した記号論、そのとおりの未来がツイッター。あらゆる垣根が融解して人と人が自由につながる世界の到来。今夜は太田光代さんのつぶやきが楽しみだ。今日と来週の金曜日は日本中が忘年会やらクラブイベントやら今年最期の賑わいの週末。皆さんよい週末を&ハッピークリスマスを♪ *<|:-){{{

2009/12/07

創造の女神はスキャンダル


Ant chair, 1952, Design: Arne Jacobsen.

デザイン好きで3本足の黒いアント・チェアを知らない人はいないだろう。1979年、23歳でもらった初給料。ボクの初買い物がアリの椅子だった。この黒アリから今のボクがあるのかもネ。1952年バウハウスに影響を受けた建築家アルネ・ヤコブセンがデザインしたAnt Chairは、その後1955年には数タイプが作られデンマークのフリッツハンセン社からリリース。今なお売れ続けている20世紀を代表するモダンデザインのパーマネントコレクション。【注】3本足は座った人の2本足を加えて安定するとふれこみだけど実際はすぐこける椅子で使用は4本足を買うのが◎。デザイナーズものって歴代みんなこんな具合さ。


しかし、この名作を世界に知らしめた本当の立役者は、1962年、ミニスカートで一世を風靡したツイッギーの撮影でも有名な写真家ルイス・モーレーによって撮られたクリスティン・キラーのスキャンダラスなヌードフォトだった。この広告によってアント・チェアとクリスティン・キラーは一夜にして時代の寵児となって世界の知るところとなるのだが。早期に名声を手にした椅子とモデルはその後、真逆のスターとなっていく。クリスティン・キラーは彼女の数奇な生い立ちの宿命か、翌1963年、時の英国政府を揺るがし「20世紀最大の政界スキャンダル」と歴史に刻まれたプロフューモ事件で国家機密を漏洩した高級娼婦の疑惑と恥辱にさらされスキャンダラスな女の烙印を押される。そして1989年、事件は文字通りの「スキャンダル」となって映画化された。

1989年、何も知らずにビデオ屋で借りて見てびっくり。世界史に残る椅子とモデルの奇縁。クリスティン・キラーの数奇な運命プロフューモ事件が映画化されたSCSNDALとは。


古くは手工業の時代のチェロやバイオリン。産業革命後の大量生産時代にはコカ・コーラのボトル。そしてこのアント・チェア。人はみな女性から生まれるが、創造の女神はアルネ・ヤコブセンも虜にしたエロチックな曲線のスキャンダルさ。アリ。。。

2009/12/06

セックスと三ツ星は余韻が決め手?

ヤクザ映画が全盛期だった60年代〜70年代、中でも任侠映画の金字塔と誉れ高い菅原文太の『仁義なき戦い』などは観客が映画館を出るなり、みな一様に肩を怒らせ外股で風を切って歩いていた。なんて、すっかり映画の世界に引き込まれた観客が無意識にも主人公になっちゃって。ボクはヤクザ映画には縁がなかったけれど、映画館を出てもしばらく余韻が引きずり現実の世界に戻れない事はしばしばあった。2時間の別世界に浸ってしまう。それだけ雑念なんて吹き飛ばすほど魅入ってしまう、いい映画だったのだろうけれど。しかし思い起こせば、1992年(36歳のころ)フランシス・フォード・コッポラの『ドラキュラ』を観て以来、映画館の外に出て冷たい外気と騒音にさらされても余韻が冷めず現実に戻るのに何時間もかかったなんて映画には遭遇していないかもしれない。ついでにいえば、1969年、高校1年で観た「2001年宇宙の旅」なんて、映画館を出てからどうやって家まで帰ったかさえ覚えていないほど、頭が真っ白になった。なんせ、16才が観た世界は32〜3まで覚めなかったんだから。

おっと本題。この「余韻を引きずる」「余韻が冷めない」こそが、料理の美味しい名店の証なんだとボクは島宮さんと出会った26〜7のころから思っている。そもそも名店と呼ぶべき料理屋は、その店にたどり着くまでの佇まいがすでに食前酒で前戯。そして素人が想像もつかない一手間も二手間もかけたこしらえあって料理が旨いのはもちろんだし、食材がいいのも、器、家具調度品、道具も旬と息合う、まるで裏地に凝るような気負いのない意地と見栄の粋が潜み、とどめは間合いのいい料理の出しとほど良い距離の会話。何より終始一貫、客を見定めしない慇懃無礼のないもてなしの居心地の良さ。非日常の味覚と居心地で脳は至福でまったりとろける。そして、ご丁寧な見送りをうけて余韻をひきずる帰路の風情。これで完璧。湯上がりのように気持ちよくまったりと力みがほぐれた至福の余韻が、店を出るなりいきなり車の往来、人混みの喧噪、駅の長い階段、駆け込みの終電、くたびれた車内の表情に襲われるような超現実じゃ〜 恋と一緒、セックスと一緒、百年の恋も興ざめる。至福な眠りに誘うまどろみの後戯まで丹念にしつらえてなんぼなのが、お代に代えがたい名店だとネ。そう考えると、東京はセレブが集うメディアが煽るこれ見よがしの超高級店は有象無象にあるけれど、前戯から後戯まで味わい尽くせる風情あるしつらえの店がいったい何件あるのだろう?と懐疑するのはボクだけだろうか。

千花(ちはな)〒605-0074 京都府京都市東山区祇園町南側584 TEL.075-561-2741

写真は京都祇園の「千花」。たった1度しか行った事のない店だが、今朝「ミシュランガイド京都・大阪 2010」を覗いて三ツ星だったとは大納得。いい店は前戯も後戯もさりげなく長〜くイカせるのがお上手ですって。あっぱれ!それにミシュランもなかなかやるじゃないと見直しちゃったりネ。もてなしも軽く品のない気をてらった器使いにはがっかりな「かどわき」が2年連続、星二つなんて信じられないバッドセンス!だったから東京版じゃ。

2009/12/05

アンジェリカのPARIS, NY, LONDON,案内



人生そのもの、運がよくてもせいぜい7〜80年の片道切符の長旅なのだが、その撮り直しのきかない紆余曲折のサバイブ冒険ファンタジーを美味しく面白く寄り道・道草へと誘ってくれるのが旅ガイド。ま、誰と出会うか、誰が指南してくれるかによって美味もおかしみも、まるで別世界なのだが。ボクは常々、女性版コンラン卿のようなアンジェリカ・タッシェンの人生の楽しみ方に憧れてきたけれど、この『Angelika's Paris Guide』は、以前、出版プロデュースに関わった能勢千詠子 編のディープでフェチな『パリのルール』とは真逆で、パリ観光の大道を通に楽しめるパリ・ガイドだ。アンジェリカ・タッシェン 一押しのホテル、ブティック、レストラン、カフェ、バー、etc...が、ヴィンセント・ナップの写真に収めらたタブのついた辞書スタイルで、パリの旅の魅惑的なアイディアが瞬時に引ける事請け合い。ウルトラホットなトム・フォードの秘密の隠れ家。ヘミングウェーがこよなく愛したブラッセリー。Comme Des Garcons Parisの一点ものの香水とキャンドルブティック。パリ 一番のマカロン店 Ladur。ピカソと盟友ジョルジョ・ブラックが通い詰めた左岸のコージーなビストロ La Palette 。等々、大道らしいワケありがヴォリューム満載。パリジャンよりもパリ通になるインサイダーネタの宝庫。このシリーズは他に『TASCHEN'S NEW YORK GUIDE』『TASCHEN'S LONDON GUIDE』と現在3部作仕立て。以前からある世界の都市をシリーズ化したアンジェリカの『Hotels & more』をシックにセレブにアップグレードした街ガイド。こうやって世界を旅しながら誰も知らない次ぎなる世界のチケットもらいたいなぁー。その前に人生最後の旅のお伴が一番欲しいけどネっ。



P.S. この3部作、クリスマスギフトにうってつけ。For Him でも For Her でもネっ♪

【アンジェリカ・タッシェン】タシェン社のチーフエディター。
Angelika Taschen studied art history and German literature in Heidelberg, gaining her doctorate in 1986. Working for TASCHEN since 1987, she has published numerous titles on art, architecture, photography, design, travel, and lifestyle.






2009/12/04

気をつけてね

って、人は何気に別れ際に言う。もう小さい頃からこの歳になるまで深く考えもせず、すっかり挨拶語になってしまっている「気をつけてね」。たぶん家庭から、学校でも、社会人になっても、広く世間で普通に使われているからだろう。しかも、日本のみならず世界中で大昔から、みな普通に「気をつけてね」っと言い続けている。さて。はて。人は何故、そう言い続けて来たのだろう? そもそも「気をつける」って「何を気をつけるんだ?」。別れた後、車に跳ねられないように?車の運転を誤って事故に遭わないように?ひったくり、暴漢、痴漢、誘拐、拉致に遭わないように? その昔なら、馬車で機関車で蒸気船で地球を旅してたわけだから、別れた後、帰るっていっても何週間も場合によっちゃ何ヶ月もかかった。その間、食あたり食中毒、怪我、病気、伝染病、盗賊、海賊、戦争、動乱、革命、さまざまなトラブルから身を守り安全に帰ってねっつー意味が願いが込められているように思うのだが。つまり「病気になるな!」「事故に遭うな!」「怪我するな!」って事。言い換えれば、いかなる困難、不慮の事態に遭遇しても「無事たどり着けよ!」決して旅の途中で「死ぬなよ!」「生き抜けよ!」って、みな言い続けて来たことになる。人はいつの時代も生の不条理「一寸先は闇」を知り「一期一会」を大切にして来たんだろう。そして「生きる」「生き抜く」が、この世に生ある者の最上位の価値として。


ジョン・アーヴィング原作の『ガープの世界』The World According to Garp 1982 は好きな映画の1本だ。彼の『ホテル・ニューハンプシャー』1984 も同様に、作品は居合わせた時代背景の理不尽な人生のあやに翻弄される主人公たちが、その重い切ない事件の数々をファニーにユニークに切り抜けるリアルな世界のファンタジーのような不思議な世界。共に25〜6だったか80年代初期の公開時にリアルタイムで観た映画で、今観ても新鮮な発見と感動がある不朽の名作。その『ガープの世界』の中で、主人公ガープ役のロビン・ウィリアムスが、幼少の頃、午後の浜辺で無心に遊んでいたら、遠く後ろから母親(グレン・クローズ)が「引き潮に気をつけてー!」と声をかける。それから20年。ガープが同じ浜辺で水遊びする自分の息子の背に向かって「引き潮に気をつけてー!」と叫んだ瞬間、息子の背がかつての自分と重なるシーンが好きだった。人は生き抜く知恵「先人の教え」を知らぬ間に繰り返しているんだ。

ガープの世界』The World According to Garp 1982

地球誕生から46億年。生命誕生から40億年。人類誕生から400万年。あらゆる生命の進化の過程で、サルとヒトを分つ人間の証明「火の使用」「道具の使用」「言葉の使用」。その言葉の使用も、話し言葉の起源は5〜6万年前から、書き読み言葉の起源は5〜6千年前からと、つい最近手にした手段だ。以来、人はズーットズーット言い伝えて来た「気をつけてね」「死ぬなよ」「生き抜けよ」と。400万年生き続けた生ある人を証明する究極の一言を無意識にネ。じゃぁー 気をつけてね!

2009/12/03

近未来のオスカー監督「小栗はるひ」


作品2『少年少女』 2008年制作 監督 小栗はるひ 37分

あらすじ… 「ある街の風景 眼帯を付けた少年、浮浪者の少女。 少年少女が出会う時、二つの心臓が静かに叫びだす。 やがてお互いの血が、命を確かなモノにしていき… 街を、社会を、現代を、置き去りにしていく。 」☆2008 夕張国際学生映画祭 国内部門グランプリ 国際部門準グランプリ ☆2008 東京学生映画祭 招待作品 ☆2008 成城大学映画祭 グランプリ ☆2009 CO2映像展 オープン・コンペ部門入選 。

作品3『トゥインクル トゥインクル』 2009年制作 監督 小栗はるひ 22分

あらすじ… 「思春期に、誰しもが感じる生と性への漠然とした不安。 心の変化への戸惑い。大人の世界への軽蔑の眼差し。 そんな行く場所の無い苛立ちをたくさんしまいこんだまま、 大人になろうとす る少女…。 」☆2009 ショートショートフィルムフェスティバル NEOJAPAN部門 入選 。


小栗はるひ】映画監督 1984年、横浜生まれ25歳。 日活芸術学院映画制作を卒業後、さらに憧れの熊切和嘉監督のENBUゼミを卒業。まだ自主制作ショートフィルム3作品しかないが、その全作品が複数の映画コンペで受賞作という才気あふれる新進気鋭。

<作品1>『パンツの華』 2007年制作 監督 小栗はるひ 21分 「あらすじ… 高校生になっても未だ“生理”が来ないミツキ。 初潮を迎えた少女サチコ。思わぬ妊娠に戸惑うカナ。 何で女だけが毎月血を・・・? 」☆2007 京都国際学生映画祭入選 ☆2009 Asian Hot Shots Berlin映画祭(ドイツ) 日本短編映画プログラム「Girls' Secrets」招待作品 ☆2009 第一回国際映画祭 シネリンピック(Cinelympics!) MVP 。

<作品2>『少年少女』 2008年制作 監督 小栗はるひ 37分 「あらすじ… ある街の風景 眼帯を付けた少年、浮浪者の少女。 少年少女が出会う時、二つの心臓が静かに叫びだす。 やがてお互いの血が、命を確かなモノにしていき… 街を、社会を、現代を、置き去りにしていく。 」☆2008 夕張国際学生映画祭 国内部門グランプリ 国際部門準グランプリ ☆2008 東京学生映画祭 招待作品 ☆2008 成城大学映画祭 グランプリ ☆2009 CO2映像展 オープン・コンペ部門入選 。

<作品3>『トゥインクル トゥインクル』 2009年制作 監督 小栗はるひ 22分 「あらすじ… 思春期に、誰しもが感じる生と性への漠然とした不安。心の変化への戸惑い。大人の世界への軽蔑の眼差し。そんな行く場所の無い苛立ちをたくさんしまいこんだまま、 大人になろうとする少女…。 」☆2009 ショートショートフィルムフェスティバル NEOJAPAN部門 入選 。

現在、第六回CO2上映展 企画コンペにて助成監督に選ばれ、初めての公費で『どんずまりの便器』を製作中。映像集団「トラウマサーカス」所属。頼もしい未来の始まりだ。


2009/12/02

ロングつぶやき2009



表参道のイルミネーションも11年ぶりに復活して11歳になるタロの夜散歩も相変わらず後ろ足がぴょいぴょいスキップちょっと元気で明るい年の瀬。しかし。世界一平和な国は11年連続3万人を越す世界一の自殺者大国。世界一少子高齢晩婚晩産化するレッドリスト入りの絶滅危惧種。マスメディアと民主党による未来図のないままの「無駄狩り恐怖政治」はスキャンダラスなエンタメと化し、20世紀の化石人石油王たちのお遊びのツケはドバイショックで円高騒乱となって失業率が11%を越す勢いだ。年末恒例の年越しの風物詩、TBS「ダイナマイト」とテレ東「戦極」の格闘技対決&第60回NHK「紅白歌合戦」の準備もそろそろ佳境に差しかかる中、年越し派遣村が2年連続出場しそうな大晦日か。

野生を退化させた ゆるいあまいノー天気な草食君森ガールが大流行すれば、ヨージヤマモトは倒産し、ファストファッションなる H&MFORVER21Kitoson まで加わり都内いずこも長蛇の列。日本固有の経営資源、未来の世界遺産「アニメの殿堂」は、衆愚な票の為に無駄狩りの生け贄に祭り上げられ、長蛇に並ぶ当事者世代までが無駄使いとオウム返し民主党を勝たせたが、フランスでは国営のアニメの殿堂「漫画博物館」が開館し、ロサンジェルスではJ-POPカルチャーの殿堂「ニュー・ピープル」が20世紀少年まで応援に駆けつけての街をあげて開館祭り。親方日の丸役人同様、決して潰れない最期の利権ビジネス民放各局の誤った舵取りで番組劣化を加速させ視聴率もデフレスパイラル急降下の中、NHKは「東京カワイイTV!」「トラッドジャパン」「大河ドラマ」等々での日本売りで視聴率高騰の一人勝ち。

もう10年来出版不況と言い続けられているけれど「月刊現代」「小学5年生」「小学6年生」「SEVENSEAS」「BRIO」「esquire 日本版」「マリークレール」「PINKY」「Cawaii!」「マミィ」「Forbes 日本版」「諸君!」「広告批評」等々の名士雑誌に、あのカリスマサブカル誌「STUDIO VOICE」までもが廃刊だ。今年だけで200誌が消えた一方、「スクリーンプレー」「KBOOM」「この映画がスゴい」「映画秘宝」「ロケーションジャパン」「アクチュール」「チャイニーズスター」「シナリオ」等々、映画関連誌はマニアックに細分化されてすくすく数を増やし、日本全国津々浦々までが世界一多い国際映画祭ブーム。そんな映像芸能カルチャー界では、演劇も大中小&極小カンパニーまでが大盛況。とにかくチケット完売御礼続出だ。「演劇ぶっく」「せりふの時代」「アクト4」「JPL」「トップステージ」「シアターガイド」「丸ごと全部 ! 海外ドラマ」と、雑誌もまた雨後の竹の子。総制作費60億と鳴り物入りで興行された「20世紀少年」は3作で400億を稼ぎ出す勢いか。これからDVDにテレビ放映等が加われば更に記録更新は必至。そうそうアトムもCGで世界興行されるし、日本映画は不況知らずの破竹の勢い?

家の近所はライブハウスに練習スタジオ、自転車屋がにょきにょき誕生。国営、区営、企業の、街カフェの、アートギャラリーでは今宵も賑わうオープニングの数々。企業のスポーツ支援廃止、国家のオリンピック選手強化費の削減される中、写真だCGだダンスだパフォーマンスだVJだとネットはアートニュースが駆け巡り、みんなミュージシャンでアーティストでフォトグラファーを謳歌する。マイケルの突然死、ファラ・フォーセット、眞木準、忌野清志郎、川村カオリ大原麗子、(加藤和彦)、80年代のシンボルが天に召され後には普遍を創造しかねる無数のゆるいがあまいが跋扈する。そんな君たちが未来のマイケルにならなきゃならないはずなのに。音楽も演劇も映画も広告も建築もインテリアデザインも未来の不朽の名作を創るのは君たちなんだけど。見てる感心してる場合じゃないってば。

創業300年の三越は伊勢丹になっちゃうし、ボクが百貨店を辞めた80年代の後期には、百貨店はスーパーに抜かれ、そのスーパーは90年代後期にはコンビニに抜かれ、そのコンビニは21世紀の最初の10年でネット販売に抜かれてしまった。空前の大盛況呈するジャパニーズ・キッチュ&ポップ・カルチャーとデフレが踊るメディアと国政。日本の実体経済って?いったいデフレ?インフレ?空前のカルチャーバブルの大好景気?いったいこの現実をどう説明するんだろう?MBAでアメリカを倒産させたパワーエリートたちは。だれか賢者に新しい物差しでキッチリ測って今と未来を解説してもらいたい。どう考えても、統計の経済の指標が物差しが日本人の価値意識が現実とは合っていない。日本に賢者はいないのかーい?真正知識人が今こそ望まれる2000年最初の10年が暮れようとしている今宵満月。人類史から3000年来の日本史を振り返って、ただひとつ言えるのは日本の唯一の経営資源は元祖自然循環した「精緻で緻密」「雅でかわいい」技術と芸術MIJ』。日本の文化産業「ジャパニーズ・カルチャービジネス」が世界で生き残る固有の資源だ。今年はダーウィン生誕200年だが、人類進化の68億分の1億の、そのまた1億分の1匹のガラパゴス島民の末裔はつぶやくのでしたぁー。

さて。三浦大輔率いる劇団「ポツドール」江本純子の「毛皮族葛木英の「メタリック農家」と、ここ数年演劇界の新星をおもしろがってきたが、昨夜、千秋楽の『社会派すけべい』はやっぱりスゴイ大盛況。もちろんチケット販売時に完売する勢いだったけれど、時代は確実にネットという最速の世界口コミでインディーズがメジャー化する経済社会にシフトしている。i phoneですべてがまかなえる世界にネ。


毛皮族】2000年9月江本純子、町田マリーを中心に結成。エンターテイメントとしての過剰なサービス精神を以て繰り広げられるキッチュでエロバイオレンスな熱狂的狂騒舞台で 演劇界を猛烈!猥雑!爆走中!(公式HPより) 結成から10年。いまや夜の今様宝塚だ。どひゃーな感じの鬼畜系崩壊演劇「ナマ毛皮族」!!毛皮族2009年本公演『社会派すけべ』2009年11月19日(木)〜12月1日(火)@下北沢駅前劇場。この後は、12月4日から「メタリック農家」の『累累』が、そしてトリは12月19日から大御所「ロマンチカ」の『かわうそ』で〆られる。そんなこんなの昨日、近未来のオスカー監督と出会って、ボクはホックホク。デビューの自主制作3作品がすべて映画祭でグランプリとは「小栗はるひ」は未来でっせー。青田刈り!先物買い!みなさん次回作『どんずまりの便器お楽しみに〜♪

P.S. 2010年は「バンクーバーオリンピック(冬季)」「世界核安全サミット」「国際宇宙ステーション (ISS) 完成」「上海国際博覧会開催」「サッカーワールドカップ南アフリカ大会開催」「ユースオリンピック@シンガポール」「バスケットボール世界選手権@トルコ」「ドイツ・ミュンヘンのオクトーバーフェスト200周年」「 フレデリック・ショパン(作曲家)生誕200周年」「 ビートルズ解散から40周年」「TOKYO FM開局40周年」「ロベルト・コッホ没後100年」「ロベルト・シューマン(作曲家)生誕200周年」「OPEC結成50周年」「メキシコ独立200周年」「チリ独立200周年」「イラン・イラク戦争開戦から30周年」「プラザ合意から25周年」「ベトナムのタンロン・ハノイ首都1000年」等々が世界スケジュール。一体全体どんな年になるやら。秘策があるから2020年 東京オリンピック招致は復活して欲しいなぁー。ともかく、平和に健全な未来が語られる事を望みます♪

2009/12/01

写真家の旅日記

人生は片道切符の一人旅。運がよけりゃ70〜80回の新年と誕生日を地球のどこか(そろそろ月面も入るか)で祝えるトラベラー。その長くて短い夏休みのようなロードトリップをスクラップしたら何冊になるだろう。我がサバイブ旅日記は。さて。も〜い〜くつ寝ると〜♪お正月〜♪ 師走ですネー。54回目のお正月かぁー。残り回数も見えてるし。ヤバっ。

"A Road Trip Journal" 1972, photographer: Steven Shore

写真の「ロード・トリップ・ジャーナル」は、1972年スティーブン・ショアーが敢行したアメリカ横断のロードトリップ中に書かれたメモを復元した旅日記。地図、泊まった場所や食べた物、テレビで見た物、撮った写真、運転距離数に加えて、レシートや葉書、さらには駐車場利用券などの細々したものまで糊付けした、70年代の香り漂う旅のスクラップ写真集。すべてにシリアルナンバーと本人直筆のサインが入った世界3,300部限定版(日本では100部限定)で、2008年 Phaidon Press社より発刊。

"A Road Trip Journal" 1972, photographer: Steven Shore

American Surfaces by Steven Shore

スティーブン・ショアSteven Shore 1941年NY生まれ。現在バード大で写真の教鞭をとる現役カメラマン68歳。叔父からもらった子供写真キットに夢中になった6歳から写真と遊び独学で才能を開花させて行く。そのキャリアは10歳で出会ったウォーカー・エバンスの写真集に触発され、若干14歳でMOMAの館長エドワード・スタイケンに見初められ3点が収蔵される。17歳でアンディー・ウォーホルと出会い、全盛期のウォーホルとファクトリーに集まる当時のアーティストたちを撮り、1971年24歳でメトロポリタン美術館で初の個展を開催。名実共に60年代のスターカメラマンの仲間入りを果たす。以後、アメリカの色と佇まいにこだわる写真「アメリカン・サーフェース」と題された写真集を出すなど、マンハッタンのヒップな世界から、テキサス、ワイオミング、カナダへと被写体は自然界のロードな風景へと作風を変える。70年代後期から80年代、グッケンハイム基金で、その「色」をテーマにした一連の作品展をMAMOで開催。70年代の気分を代表する米写真家。作品サイトはこちら


P.S.たしか(記憶は怪しい)「恋のポートレート」(原題 The Family Stone 2005)と思うが、劇中クレア・デインズが彼に持たせる旅の地図帳は、手書きで手貼りで楽しいスクラップブックだった。いつか洒落たラブレターとして恋の手練手管に使いたい。必見♪

 
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