1955年、自由党と日本民主党の鳩山一郎、大野伴睦らによる保守合同で結党されて54年、戦後日本を築いた保守政党「自民党」がついに瓦解してしまった。くしくも明日は開国以来150年、日本の政治家、役人たちが一貫して妄信してきた西洋かぶれ「舶来」信仰の果て、皮肉にも「自民党」の祖師 鳩山一郎の末裔 鳩山由紀夫による「民主党」政権が発足し、二大政党制が始る。日本の伝統文化を重んじ西洋化を促進する施作の中で「保守」と「伝統」の違いに不理解だった故、瓦解した自民党の様は、同時に戦後日本人の「日本文化」と「伝統」の不理解の現れでもあるのだが。「伝統」ドラディショナルとは、その語源ラテン語によれば「引き継ぐ」トランスメットルと「裏切る」トライゾンの二つの意味が内在している。伝統とは保守する事にあらず。先人の生き抜く知恵を「引き継ぎ」つつ、誰よりもどこよりもいち早く大胆に「裏切る」。改革、革新する事によってのみ脈々と継続される事を指す。誰よりもどこよりも先に改革、革新できなかった「自民党」が、その先人の「言葉の伝統」教えを理解できなかった事の証左なのだが。
「文化」とは何か?「美」とは何か?古くは「東方見聞録」に記された西洋が理解できない謎の文化「黄金国ジパング」に始まり、19世紀末パリ万博でのジャパン・デビューで、文字通りカルチャーショックを受けた欧州のジャパンオタクたちによるジャポニズム「印象派」の誕生。近年では「東京カワイイ」が世界を魅了するワケ。「世界は日本がお好き。東京がお好き。」日本人でさえわかっちゃいないそのワケを語り伝えるのがライフワークのようになってしまって20年。その公的な好適テキストをついに発見!「英語でしゃべらナイト」以来、傑出した語学番組の新境地を数々開拓してきたNHKの英語で伝える日本文化「トラッド・ジャパン」は、お見事!とかく映画「おくりびと」の様に、エキゾチックな作法、儀式のみが一面的に伝えられがちな日本文化。その正確な真髄をディープな意味由来を短い文章にもかかわらずわかりやすく伝える最適テキストだ。戦後の日本文化教育を受けなかった無教養な我々が読んでも、もちろん外国人が読んでも、簡素に明快に一読了解一目瞭然。ぜひバックナンバーから揃えてご一読されたし。さすがNHK、超お値打ちの580円。
今、発売中、オンエア中の 9月号「織部焼・神輿・桂離宮・箸」では、アテネに始る頭で作られた「西洋文化の定義と表現」と、すべてを四季折々徒然なるままな自然界から学んだ「日本文化の定義と表現」の違いについて明快だ。とりわけ織部焼のくだりでは、けっして奇麗じゃない、歪(いびつ)な容姿、無骨な風情、不快な手触り、等等、西洋の整える奇麗な美との違いの説明は秀逸。「サルでもわかる比類なき日本文化の解説書」必読必見!
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