NYのストリートアーティスト3人組「FAIL」がデビューして以来、彼らが世界中で繰り広げたグラフィティの大ファンなのだが、近年、彼らの表現手段に丸太が加わり、これがまた好みだ。そもそも人類は岩肌に落書きしたとこから始ったんだから、フェイルのプリミティブ指向は肌に合う。まるでインディアンのトーテムポールか、北欧フィンランドの船か家か、アイヌの木彫りか、土着的、儀式的なモチーフをFAILならでの落書きでとことん刻む。森に刺青。この手がかりの先に、さらに深い未知の森がありそうで興味津々だ。山口藍、FAIL紅一点の中川愛子、まだ無名な芸大木彫科の院生君、彼らの手探り手書き手作りの先に、森に住み始めた縄文時代から3000年、日本人の 日本文化の進化系が見えるような。未来の森の手がかりを感じるのだけれども。個人的には、いつか再び自前の空間にFAILの大作を依頼したい。大学時代、初めてのフランス旅で出会った現地の旅友に連れられて行ったカントリーハウスで驚いた。牧歌的田園風景の農村にあったその別荘の暖炉に目が里帰りしてしまった。おフランスの田舎家だよ。そこの荒い岩を積んだ暖炉だよ。なんと暖炉の上に5体の熊の木彫りが鎮座していて、それが馴染んでカッコいい。とっくにレトロな北海道の観光土産アイヌの木彫り。お決まりな鮭をくわえた熊の木彫り。そいつがCOOL。出会いは事件。目から鱗だった。
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