2009/08/20

すいかくい

今のところ43で結婚した3番目のカミサンが最期の結婚相手。まぁーこの先まだ運があれば一応、4郎候補の身。しかしこれ以上、超離婚貧乏には成りようもない都心の難民キャンプ暮らしに老化が進行するから、一体全体どんな末路が待ち受けているのやらだ。ふぅー。彼女とはもう幼なじみと化してしまうほどの13年を費やした紆余曲折の末に結ばれて、わずか半年(実質3ヶ月)彼女の意向で円満離婚。供に人生で初めて子を授かる幸せと同時に亡くす苦い痛い絆を分ちあい、まるで蝉の一生のような顛末だった。その名残が心の傷を癒してくれた11歳になる我が愛犬タロなのだが。

さて、そのEX細君Kちゃんは、お茶事に生け花をなりわう由緒ある社中のノーブルなファーストEXさんとも、某TV局で帯ニュースを担当して名も顔も全国区だったアンカーウーマンのセカンドEXさんとも、まるで違い専業主婦を志望するタイプ。39で結婚するまで実家暮らしだった。ご実家が3代つづく有名な食品加工&問屋さんで家族3人はもちろん、仕事柄か一族みな食通。全国各地、世界各地から、採れたて産みたて釣りたて絞りたて出来立てと、もう様々な食材・食品・珍品・奇品・珍味・怪味までが届くし、また美味は津々浦々探し求める生活。なので、ご実家には業務用の冷凍庫が3台と家庭用とはいえ超特大の冷蔵庫が2台あった。そして資産家ではあるが商売人気質か、たくさんの良き食器もお持ちなのだろうが、それら究極・絶品・逸品の食材を意外や普通の皿にてんこ盛りで勢い良くいただく。きれいに皿に盛りつけるなんて余分な手間が省かれていて、それはそれで真の食通感、プロっぽいと言った方が正確か、新鮮だった。

僕は思うが何度も結婚できた幸運の冥利は、まるで違う生まれ素性、生い立ちから、いつも驚きの家庭文化に遭遇する事で、好奇心の塊な人生を生きる身としては盛りだくさんな未知の未体験の贅沢を得た事だ。で、そんな生業の家庭で家事手伝い歴39年の彼女との暮しで、忘れえぬ食は三品。トマトとオニオンのずけマリネ。僕の大好物トマトとオニオン。それに酸味。酸味は必需で鮨もガリもマリネも膾(まなす)も四六時中欲しがる体。運命的出会いのような一品だった。これを特大の平たいタッパーに漬け込み寝かす。冷蔵庫には365日 常備の日常食。二品目がおにぎり。車の運転は人の性格を如実に表すけれど、おにぎりも素が丸裸ににじみ出る一品。米・海苔・塩・種と品物が良いこと以上に、その まんまるふくよかな形状と空気を残す握り具合が、おうように育ったトランジスターグラマーな彼女そのもの。愛すべきこれぞ?味わい深い家庭料理。

そして三品目のしんがりが、お題のスイカ食い。これには唸った。一人暮らしに戻ってからというもの彼女の(ご実家の)暖簾分けのように、この技は家宝として愛用重宝させてもらっている。スイカが年中冷蔵庫にあるのだ。しかしそのスイカ。皮を除いた赤い実だけを女子がひとつまみできるサイズにブツ切りした状態で大きなパイレックスのボールに山盛りと。家族が何気に冷蔵庫を開ける度にひとつまみ。立ち食い。つまみ食い。拾い食い。ちょっとした水補給に。口直しに。ポカリ感覚。ついつい手が出るまるで菓子。文字通り水菓子だ。それに映画を見る時、アイスのようにボールごと抱えられるし、その技を発展応用させれば、ボール状の蜜蝋を灯した泡風呂にスイカのボールを浮かせながら彼女はシャンパン、僕はサンペリでシャキシャキむしゃむしゃ。今や、いつでもどこでもだれとでも抱えて食すスイカ食いとなってしまった。そのお楽しみの詳細はぜひこちらをご覧あれ!だまされたと思って試してみればヤミツキ必至、保証しますって。ホントだよ。


写真はスイカ食いのバットな実例。ひとつまみサイズのスイカをてんこ盛り大きなボールで浮かせりゃ大人の水遊びもグンと楽しくなるのにネ。おまけに、種の心配もなく、皮の残りもなく、食べきりご免で片付けも簡単なのに。

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