西高東低の冬型の気圧配置とみえて、今秋お初の富士山が部屋のど真ん中に登場した今朝、エマ・ハックのポストカードが届いた。抜ける青空。白根の富士。はるか山並み。そして東西の裸体。久しぶりにヌードにボディ・ペインティングをマジマジと眺めた。どこまでも手の届かない摩訶不思議な大自然の美しさに、人はただただ謙虚にひれ伏すしかないが、その大自然の産物「人」は、また美しすぎる。そこには生の欲望の源、セクシャルなエロスが沸き立つから尚のこと愛でたさを駆り立てられる。こまやかな皮膚。やわらかい感触。ぬくもる体温。一言で人肌は官能という性の香りをゆるやかな曲線からグラマラスな峰峰へと妄想の造形を描かせる。ボディ。女体をカンバスに描くボディ・ペインティングで、今、東西を代表するキム・ジョーンとエマ・ハックは刺青と騙し絵とアプローチは違うが、西の女体にも東の女体にも行き着く先は和柄とは。この「肌の和装」さて、どう理解しようか。
【Ema Hack】エマ・ハック。アメリカのスキンイラストレーター、写真家、彫刻家。ヘアデザイナー&メイクアップアーティストの経歴からファッションショーのモデルをボディーペインティングする作風を生み、オーストラリアのデザイナー「フローレンス・ブロードハースト」の壁紙とコラボした騙し絵のような作品にいたる。
above body paiting【Kim joon】 キム・ジョーン
above body paithing【Ema Hack】エマ・ハック
しかし、昨今のフレデリック・モレルの G{HOSTS} しかり、デボラ・センズルの BRAND LADY しかり、アンディー・ウォーホルの商標使い、フローレンス・ブロードハーストの和柄使い、20世紀の先駆者たちの元ネタは、今なお後輩たちにインスパイヤー・ザ・ネクストなんだネ。それにそもそも、今日のボディペインティングは、政治的なアンチをたっぷり含んだ「60年代のハプニング」過激な表現手段のテロとして登場したわけだし。すべてはアレンジ派生品。元ネタのチカラは普遍でツヨイ。
【Florence Broadhurst】フローレンス・ブロードハースト。オーストラリア生まれ(1899-1977)。20世紀を代表するオリエンタルテイストのテキスタイルデザイナー。一昨年、彼女のウォールペーパーとテキスタイルとのコラボ展が東京で大々的に行なわれクラシカルなデコレーションのインテリアブームが再燃。
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