2009/12/11

昨日から今日そして明日。その未来。

1993年、当時つきあっていたわが人生で今のところ2番目にファニー&ユニークな現代美術のキュレーターだったGFに誘われて、ロバート・アルトマンの「ショート・カッツ」を観に行った。いつもながら誘ってくれた相手のセンスを信頼してる場合、ボクは何の予備知識も無く待ち合わせの映画館に時間ギリギリに出向くのだが、映画はレイモンド・カーヴァーの9の短編小説と一つの詩を元にロサンゼルス郊外に住む22人の平凡な日常を短編映画のようにコラージュしながら、実は同じ時間の経緯の中で登場する22人は自分の意志とは関係なく「どこかでつながっていた」遠縁「つながっていく」奇縁によって関わり合って人生が織りなされているという内用だった。まー。アルトマンらしく役者はちょい役でも超豪華な顔ぶればかり。そしてお尻が痛くなるほど長かった。一見、まったく縁のない見知らぬどうし赤の他人のような個々の生活が俯瞰で見ると、実はとんでもない事件につながっていたり、たどって行くと今この瞬間の幸せの源だったりと、個々の物語が複雑に絡み合う人生の彩が見とれる面白い神の目線。2007年の公開初日、ヒルズに精神科医の後輩女医さんと観に行った「バベル」は、その見知らぬどうしが実はつながっているという人生の彩をロスという小さな地域から地球というさらに高所からの俯瞰で見せたもので、その絡みあいは伝言ゲームのように情報が地球上をリレーされる度にどんどん変質していって、ますますややこしくなるという言葉と時間のラグがリアルで滑稽でもあった。


昨日は、ボクが表参道でタロの散歩中、信藤三雄さんは代々木公園で愛犬の散歩中とつぶやいていた。時同じころパリス・ヒルトンは今、北ハリウッドのクラブhaha cafeでクラビング中よ〜♪とツイート。そのころヒルズではジョニー・デップが「パブリック・エネミーズ」のジャパンプレミアでレッドカーペットの上。裏原宿ではデプトの後にできたヴァカント桑原茂一さんはClub King今年最期のイベントで茂木健一郎さんの朗読会。東京タワーを至近に眺めるプリンス・パークタワーでは昼の平山郁夫さんのお別れ会に続いて、「KKミーティング」と銘打たれた加藤和彦さんのお別れ会にユーミンはじめ高橋幸宏さんら錚々たる団塊の世代たちが集っていた。ボクは夜更けまで表参道のモントークで、ベネチア研究の第一人者 陣内秀信ゼミでトルコをくまなく1年間フィールドワークしていた大学工学部の後輩女子と悠久の地球史と未来を語った。ひと気のない深夜の神宮前交差点で彼女のタクシーを見送った帰途、小腹がすいてマンジャ・ペッシェ前の野方ホープ原宿で夜食。帰宅するとNYのVISIONAIREから2010年が届いていた。ツイッターを眺めると、二次会から帰宅した高橋幸宏さんの感慨深いつぶやきが。たくましくも天真爛漫な太田光代さんの仕事を終えてからの微笑ましい至福のつぶやきが。もくもくと考えさせられた夜明け前だった。


中学3年のころ、高校受験の勉強中、毎夜聞いていたラジオの深夜放送は、時、団塊の世代が全国の大学で社会主義暴力革命の狼煙を上げた学園闘争の渦中からの戦況報告のような学生たちのつぶやき声とその合間にフォークソングが流れていた。加藤和彦さんのザ・フォーク・クルセダースの曲もその時初めて聞いたのだが。嵐のような闘争の季節が過ぎ去り、まるで戦後のようなキャンパスを卒業して社会人になって出会った団塊の世代は、BIGI創業デザイナー菊池武夫さんが「僕の世代は親父の背広かVANのアイビールックしかなかった。だから僕は自分の着たい服を作ったんだ。」と語ったとおり、写真、広告、雑誌、テレビ番組、ファッション、インテリア、ショップ等々すべてが、それ以前の親父の世代にはなかった、彼らが欲しかったモノやコトを作り始めて、待ってましたとばかり大量の同世代がファンとなり顧客となった。何を初めても大量の同世代のお客がいてすべてがうまく行った時代。そのピークが80年代中期だったのだろうけれど。いずれにしても彼らの世代は退場するまで市場が最大級だから苦労せず生きて行ける世代なのだろう。大人になって30を過ぎてから出会った加藤和彦さんは、もう60年代のフォークシンガーというより、彼の貴族的ライフスタイルが羨望のお洒落な東京スノバリーだった。加藤さん同様に軽井沢と東京で優雅に遊ぶ、立花ハジメさんや菊池武夫さんさんも松任谷正隆さん、等々等々の今を見るに、あのころのスノバリーで東京カルチャーな人たちは、きっと本音のところ加藤さんが「もう何もやる事がなくなった」と最期につぶやいたように、未来を見通せない閉塞の中にいるのではないだろうか。カリスマサブカル誌 STUDIO VOICEの廃刊。リンゴ社のスティーブ・ジョブスも愛用していた最も世界で成功したはずのファッションクリエーターYOJI YAMAMOTOの倒産。これから、かつての団塊スターたちがひとりひとりと退場して行く。その度に、たくさんの未来を喪失した団塊スターたちは集うのだろう。

しかし一方では、一昨日の未明ヴァージンの会長リチャード・ブランソンが、ニューメキシコからツイッターで、This is truly a momentous day..The unveil of SS2 takes the Virgin Galactic vision to the next level. http://bit.ly/4Kjird http://bit.ly/gG19 とつぶやいた。朝、テレビのニュースでは、その眩しい未来が放送されていた。そして今夕、シュワルツネッガー加州州知事は、It was a great ceremony - here is the countdown! http://vid.ly/bI6D と幸せをつぶやいて。。。


さっ。今夜は、来日中のマイケル・ムーアも絶賛したタイタンのイベント「爆笑問題withタイタンシネマライブ」が全国のTOHOシネマズで開催。これから僕は六本木! おっと、パリス・ヒルトンは、Going to bed. Sweet Dreams Everyone! Xoxo Paris :) ってつぶやいたよ今。。。35年前、大学の社会学部で専攻した記号論、そのとおりの未来がツイッター。あらゆる垣根が融解して人と人が自由につながる世界の到来。今夜は太田光代さんのつぶやきが楽しみだ。今日と来週の金曜日は日本中が忘年会やらクラブイベントやら今年最期の賑わいの週末。皆さんよい週末を&ハッピークリスマスを♪ *<|:-){{{

1 件のコメント:

seesmacko さんのコメント...

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