先日、20代女子で売れっ子芸能事務所を切り盛りするエクセリングの木谷社長との面会のためTBSに向かった。広い青山通りを挟んで赤坂御用地の広大な深緑に守られた三笠宮邸前の交差点に、そんな豪奢な立地と豪華な出で立ちが億ションのような区民賃貸住宅シティーハイツ赤坂が建つ。ここを曲がると、まるで大倉山ジャンプ台のような転がり落ちる急な坂道の名所「薬研坂」。コロンビアレコードがあったことから通称コロンビア通りと呼ばれているこの蛇行したアップダウンを抜けるとTBSの駐車場側に出るプロっぽい道取りだ。界隈のマンションやオフィスビルには番組制作、芸能プロダクションが古くから点在するTBSの城下町。何気に人気放送作家やTBSアナウンサー、芸能人たちが闊歩しているエリアだ。慌てて北参道から飛び乗ったタクシーが思いのほか早くTBSの駐車場に着いてしまったので、車窓から見えたコロンビア通り沿いのカフェで資料に目を通そうと入った。旅行客と思われる一組の若い外国人カップルが店の前に設えた素朴なテラスでくつろいでいる様が気持ちよさげで目に止まったのだ。書類を広げるには好都合な大きいテーブル、エスプレッソとファラレーレ(伊産ガス水)と灰皿を置いても十分なスペース。ノートPCで存分に仕事ができちゃう面積だ。ゆらめく木漏れ日の影がテーブルで踊る初夏の夕暮れ少し前、新緑の音擦れを奏でるさわやかな風に誘われて、意外な場所の意外な昼お茶会議室の発見だった。
そして意外はまだあった。このカフェ「ピッツェリア・リアナ」という大箱のチェーン店で、その経営母体は、あのカフェ・ヴェローチェでお馴染みのカフェ・シャノワール。しかも赤坂店があるこのビルは、大学時代〜社会人成り立ての30年前、安宿だからお世話になった、外国人が長期滞在している宿でも知られた界隈きっての古参ビジネスホテル「ザ・ビー赤坂」じゃない。いや〜高層マンションが建ち並び、風景がすっかり変わっての意外3連発。歳を重ねると同じ風景も「懐かしいと新しい」こういった楽しみに遭遇したりで2度も3度も面白がれるのが人生か。そういや、かつて鬼才アラーキーが「俺もそろそろ夕日が撮れるような気がする」なんて言ってたっけ。若い頃から夕日なんて数えきれないほど撮ってきた重鎮のお言葉。身に沁みます。◆ちなみにこの店ワンコOKだって♪ わんわん。
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