2009/06/20

未知と未知との束の間に輝く青い命

ロシアに始る人類初の経済学実験、この共産主義革命がなければ、東西の冷戦も、核兵器の開発もなかったろう。しかし、ロシア革命がなければ、東西の冷戦がなければ、宇宙開発もコンピューターもインターネットもなかった。忌まわしくおびただしい共産主義暴力革命の流血と、その後に世界を2分した共産主義対資本主義の東西の冷戦による流血、そして原爆投下による悲劇。そのすべての尊い犠牲の上に、人類は月面に降り立ち、その後のIT社会と宇宙開発の未来を享受している。今、打っている僕のPCも、今、あなたが読んでいるブログも存在しない。人類誕生から400万年の営みは、その不幸とこの幸福の表裏一体の連鎖によって今がある。そして遡れば、イギリス産業革命がなければ、ロシア共産主義暴力革命はなかった。しかし、その産業革命がなければ大量生産による等しく文明を共有する事もなかった。1969年7月21日(月)日本時間午前11時56分。当時、中学2年生だった僕は、富貴堂で参考書を買い、急ぎ足でバスに飛び乗り帰宅した。ブラウン管の白黒テレビで月面着陸の生中継を見るために。日々、世界中で激化する学生運動のニュースが新聞でテレビで報道される日本で、この一瞬だけは別世界だった。この人類の歴史的瞬間。それは2つの革命だった。人類初の月面着陸と人類初の世界同時生中継。世界の人が現在進行形の映像を等しく同時に体験した初めての瞬間だった。国も人種も文化も越えて、テレビ受像機さえあれば、誰でも何処でも同じ価値を等しく同じく共有した歴史的事件だった。後に東西の冷戦を無血で終結させる、ベルリンの鉄のカーテンを壊す起源となった。あれから40年。米ソ宇宙戦争時代から最新の撮れたての宇宙が映画として公開される。「宇宙(そら)へ。」神秘の深海「ディープブルー」審美の地球「アース」を撮り描いたBBCがNASAと共同制作したドキュメンタリー「宇宙(そら)へ」。雨上がりにできた小さな水たまりに無数の命が育まれているような愛おしい。ふれると今にも消えそうな幻のシャボン玉のような淡い。わずかな吐息でもゆらゆらとたなびきそうな薄い大気の膜に抱かれた漆黒の至宝。儚い命の玉。地球。久しぶりに映画館で観るべき映像に夢遊したい。誰も知らない来た未知と、誰も知らない行く未知の束の間に輝く青い命を。

地球誕生から46億年。生命誕生から40億年。人類誕生から400万年。月面着陸から40年。そして、私は誕生から54年。タロ誕生から11年。

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