これは無いだろうとミクシのコミュを試しに検索したら、えぇーっ ある。あっちゃったので参加しちゃった「サンドイッチの年」34人も参加していた。 一昔前まで「オカダさん!どこか美味しいお店なぁい?」だとか「映画を見たい気分だけど、何かお薦めは?」なんて問い合わせがけっこうあった。それで、いつも回答する前にひと手間かかってしまうのに閉口した事を思い出した。飲食店なら「いつ、だれと?」「朝、昼、晩、深夜?夜明け?」「どんな目的で行くの?」そして「ご予算は」などと、限られた予算と時間で、その日、店を出た後の気分がどうなりたいかを。映画なら「ひとりで見るの?彼とふたり?」「自宅で?彼の家?」「泣きたい?」「痛快活劇?」「大笑い?」「渋いドラマ」「笑えるラブコメ?「美しいロマンス?」ととと、映画を見てどうなりたいのかを聞き出さなければならないからだ。まるで問診。気分のカウンセラー。と言うのも、目的によっては、店の座る席や向きまでが大事になるからで、それは景色や店の雰囲気が時間帯でも曜日でも違うから予約の段階で指定しなければならないし、万が一満席なら、2案目も用意しなければならないからだ。料理のコースに意味あって食順があるように、そこに飲み物を加えてさらに五感をくすぐり六感を呼び覚まし至福へのクライマックスを誘うように、店選びにも あぁ〜 ふぅ〜 ほぉ〜 っと思わず息が笑みがこぼれる至福に誘う流れを計算しなくっちゃせっかくの大枚と時間が美味しくならないからで、まぁー クラブDJが音の組み立てで時間を演出するような感じか。しかし、今やネットで検索すると写真付きの専門サイトや個人のブログでリアルな写真に解説がてんこ盛りに読める時代。そんなリクエストはすっかり過去の話。そして、ビデオはDVDになり、さらに、ネットでダウンロードしたり、ツタヤのネットでレンタルDISCASなんて時代だから、退社後レンタルビデオ店で、パッケージを手に取りライナーノーツを見ながら予期せぬ衝動に駆られて、思わぬ掘り出し物に出会うなんて事がなくなっちゃった。ジャケ買いの妙味、面白い大当たりも、やっぱハズレも。そんな借りに行くところから帰宅後見入るまでの気分をひきずるって情緒が希薄じゃね〜。予感や余韻も味わいの内なのに、なんとも味気ない。もったいない。
Worth Winning(1989)
1990年、偶然、暇つぶしに入った映画館で2本立て上映していたのが、めちゃくちゃ軽いけど豪華な顔ぶれのラブコメ「3人の婚約者」と、マイナーすぎて誰も気がつかないような「サンドイッチの年」。この不思議な取り合わせが共にツボで魅入ってしまった。当時、米TVドラマで売れてたマーク・ハーモン主演の「3人の婚約者」は、美人女優で名高いマデリーン・ストウ、ヒス系脇役のレスリー・アン・ウォーレン、など脇も固めて、売れっ子お天気キャスターの口説きの手練手管が面白い男子必見のBなラブコメ。かたや、見るからに暗〜重〜で、役者も地味〜な仏映画「サンドイッチの年」。しかし、この地味がスゴイ。素晴らしい。騙されたと思って、泣きたい夜にぜひレンタルを!アウシュビッツから生還した老人の何でもないセリフの一言一言に、人生の迷いが涙に洗い流されて、気持ちよいほど泣けてすっきり。アルファー波出まくりの秀作。人生で一度は見なきゃいけない。マストムービー保証します。
Les Annees Sandwiches (1998)
「人生は食パンのようなものだ。今年は辛いことも色々あったろうが、人生には5度や6度はこんな事がある。残りは何てことない日々の連続さ。今年のような年は、ハムの薄切れのようなものだ。2枚の厚いパンの間に挟まって。つまりサンドイッチの年だ。そういう時は、よく噛みしめなきゃならん。カラシが一杯で涙が出ても、全部食べなきゃならんのだ」。。。目覚めの ぼやけた まなこに ぼんやり写るような蝋燭のゆらぐ灯りに照らされた写真立て。オープニングの このシーンが物語の全てを語っている事に気がつかされてエンドロール。アウシュビッツから生還した老人は言う。「神も何も信じられない」「信じられるのは、生きた人の栄光を照らす蝋燭と思い出だけ」と。
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