2009/07/03

薔薇色の人生


個々の欲望のままに地下へ海辺へ上空へと無秩序に増殖蔓延し続けるタコ足配線都市、東京。誰も制御出来ず、誰もその全体像を予測、掌握、俯瞰視出来ない巨大な生命体、東京。にもかかわらず、物の見事に寸分たがわず緻密で濃密な24時間を正確に刻む。すべてが誰も統治できないのに、すべてを誰も制御してないのに、キッチリ精緻に24時間を収めている世にも不思議な巨大な人の巣、東京は、どこにも中心がなく、どこにも主役がいない、顔の見えないモンスター。


Map of The Sounds of Tokyo のわずか1分のトレーラーを観て、その奇怪さをあらためて思い知らされる。ロスト・イン・トランスレーションでも、バベルでも、TOKYO!でも、感じさせられなかった東京の正体。


まるで録音テープで初めて聞く自分の声に驚くような感覚に戸惑うだろうけど、鏡に映るユニークで不気味な己の姿、グロテスクで醜くく、儚い蛍の群れは美しく、愛しく可愛いモンスター東京を凝視せざる得ないはず。そんな不思議の国を構成している身勝手なブラウン運動をし続ける1300万分の1個の僕は「薔薇色の人生」ラ・ヴィ・アン・ローズを歌う美空ひばりのシャンソンとタイトルに救われる。リアル東京がアニメそのものであることに倒錯して目がくらむ Map of The Sounds of Tokyo。バルセロナの料理人イザベル・コイシェの東京と菊池凛子。公開が待ち遠しい。



降ったり止んだり湿っぽい蒸しっぽい梅雨真っただ中の昨夜は市ヶ谷で会食ミーティング。ほんの近所に住みながら、たまに外堀通りを車で通りかかることはあっても、市ヶ谷駅前を歩く何て、飯田橋の大学卒業以来30年ぶりだろうか。駅前の居酒屋で会食後、お誘いを受けた後輩起業家たちと別れて、僕は夜梅雨の駅前をそぞろ歩くことにした。橋を渡り眼下のお堀に繋留されたボートを眺め、水灯りに照らされた微笑ましい若いカップルの腕組むスイングを横目に、外堀通りを少し四谷方向に歩いてタクシーで帰宅。夜も昼も迎賓館の裏道は古木の木立が好きなコースだ。ワンコのお世話をひとしきり終えて、いつも通り夜越しの仕事を朝までグツグツ煮込みながら、ヤバい!強烈な睡魔。今日は24になる新潟のお嬢が新幹線で逢いにくるんだ。7〜8時の就寝&11時ごろ起床の生活リズムじゃ10時に632カフェには間に合わない。と寝ずに向かって1時間のお茶話後、仕事に向かうお嬢を相合い傘で神宮前交差点まで見送り、「あら、ワンちゃんは?」「雨ですものネ」と馴染みのギャルソンヌに声をかけられランチタイムのモントークで朝飯。ニンニクたっぷりグラマーな大浅蜊にからむシャキシャキの水菜に、体がやっと目覚めた。さて、次回のお嬢とは梅雨の終わりの夏のイブに渓流地で、もっいっそ合宿しようか。伊豆湯河原の アルカナ イズ で湯と戯れながら。薔薇色の人生を口ずさみ。

http://www.arcanaresorts.com/

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